2007年より秋田市内でバレエを始める。
2017年〜現在 里美バレエスタジオで齋藤里美、齋藤純可に師事
2017年〜現在 和田亜美ジュニアモダンバレエクラスにて和田亜美に師事
☆資格取得
Royal Academy of Dance Advance Foundation→ Distinction(優秀高得点)合格
Royal Academy of Dance Intermediate→ Distinction(優秀高得点)合格
Royal Academy of Dance Grade 6→ Distinction(優秀高得点)合格
「2018年 日本バレエ協会東北支部バレエコンクール 入選」
-これまでバレエをされてきた簡単な経緯、経歴をお話いただいてもよろしいでしょうか?
神田様:6歳の頃から姉と一緒に秋田市のカルチャースクールでバレエを週1回習い始めて、そのときに習っていた先生が、カルチャースクールから自分のスタジオを立てるということになって、その先生についていって、8歳のときに、大きな、普通のスタジオに入っ
て、そこからは週3回から始めていって、小学校6年生のときには、週6回バレエをしてきました。中学校1年生のときに違うバレエ教室に移って、そこでの先生がイギリスのバレエ学校に入学して卒業した、すごく素敵なバレエダンサーの先生で、そのときから、私
もヨーロッパに行って短期留学を高校生のうちにしてみたいなと思って。中学校3年生までそのバレエ教室で続けていたんですけど、高校1年生になってまた新しいバレエ教室に移ったとき、その先生の娘さんがセルビア国立バレエ団でバレエダンサーをしている先
生で、海外のバレエ学校の情報とかをその先生からいただいて、自分のバレエ留学が実現するかもしれないな、と思っていて。高校3年生になったとき、たまたまアンドビジョンさんのサイトの、バレエ学校の紹介みたいな感じのを見ていたとき、デンマーク・ロイ
ヤル・バレエ団のサマーコースというのを見つけて。私、もともとロイヤルバレエ団とか、王立のバレエ団が結構好きだったので、これだ、と思って、デンマーク・ロイヤル・バレエに行きたいなと思いました。
-お若い頃から周りの先生が留学経験があって、先生のお嬢様が海外のバレエ団でご活躍されているとか、以前から海外のバレエ団、バレエスクールを意識されていたということですね。
神田様:はい、そうですね。
-今回デンマークの講習会に参加されてどうでしたか?
神田様:周りのバレエダンサーになりたいという子たちは本当にみんな意識が高くて。身体的な素質もそうですけど、日本人とは比べ物にならないぐらい、甲が出ていたり、足が長かったり、顔がちっちゃかったりっていう、本当日本人とは違うところにかなりショ
ックを受けたんですけど、でもそれ以上に、日本人って日本人にしかできない繊細な踊りってあると思うので、それを意識して。体が大きいと大きい踊りにしかならないんですけど、私はあまり大きいほうじゃないので、日本人にしかできない、外国人には届かな
いような細かいところまで頑張ろう、というのを意識して講習会を受けました。周りは本当にレベルの高い人たちで、私もすごく刺激を受けました。
-全体では何人ぐらい参加されていましたか?
神田様:今年は200人を超えたらしいですね。
-すごいですね。そのうち日本人はどれぐらいいましたか?
神田様:日本人は私のほかに、一つ下なんですけど、1人だけいました。
-ほかにはどこの国の方が参加されてましたか?
神田様:やっぱりヨーロッパが多かったです。北欧の人がすごく多い気がしました。
-授業の内容、タイムスケジュールはどんな感じでしたか?
神田様:9時半から11時までがクラシカルテクニックという、普通のクラシックの練習で、11時から12時の1時間がポワント、トウューズの練習でした。で、12時から1時までがお昼休みで、1時から2時15分までが、1週目がパドゥドゥで、2時15分から2時45分まではま
た昼休憩みたいな感じで休憩して、2時45分から5時までがモダンテクニックとか、あと、2週目だとシアターダンスというダンスの授業がありました。
-バレエは普段日本とされているバレエとあまり変わらない感じでしたか?
神田様:デンマークでのレッスンは、日本でするよりも長かったです。バーレッスンとかでも、ものすごく長くて、覚えるのが大変でした。
-ポワントで何か、日本と現地でのレッスンで何か違いは感じたことはありましたか?
神田様:ポワントは、バーの持ち方が違って、両手バーを持つときに、手をクロスされるんです。手をクロスしてずっと練習して。日本では、手は必ず肩幅でバーを持つんですけど、クロスさせるのが結構新しくて。でもそっちのほうがバランスとりやすかったり、
足のほうに集中できたので、とてもいいなと思いました。
-パドゥドゥを練習されるのは参加されている男の子と組むと思うんですけど、普段同世代の男の子と組む機会がそんなにないかと思うんですが、どうでしたか?
神田様:日本でパドゥドゥを組むと、パドゥドゥの相手ってほぼプロしかいないじゃないですか。なので、すごく上手なんです。私が下手で変化球を投げても受けとめてくださる先生方ばかりなんですけど、デンマークでパドゥドゥの練習をしたときは、相手も学生
でこっちも学生なので、下手くそで、練習は悲惨な感じでした。どったんばったんみたいな感じで。でも失敗しやすくて、逆にそこがよかったです。
-パドゥドゥの場合は1クラス、何人ぐらいいらっしゃいましたか?
神田様:うちのクラスが30人いたので、それに対して男の子が15人ぐらいいました。なので45人ですね。
-参加されてた生徒たちは普段どこでトレーニングされているとかってお話されましたか?
神田様:スウェーデンロイヤルバレエ学校とか。あと、北欧ではないんですけど、ロイヤルバレエスクールとかもいました。
-そうなんですね。モダンダンスはどんなことをされましたか?
神田様:ペアになって、目をつぶって、ペアのもう一人の相手がその子の肩をもって、目をつぶったまま歩かせて、ぶつからせないようにする、人を信頼する練習があったり、あと週の最後の日にパフォーマンスがあるんですけど、そのときに披露するレパートリー
の練習とかしました。日本で私もモダンのレッスンを週1回だけ受けていたんですけど、そういうレッスンとはちょっと違って、もっと難しい練習でした。
-それは、動きが新しいという部分で難しく感じたんですか?
神田様:はい。本当に難しいです。
-みんなでお話をする際は英語でお話をされたんですか?
神田様:英語です。
-英語でのコミュニケーションはどうでしたか?
神田様:みんな結構優しくて、私が英語ができないことを多分知っているので、普通の質問を簡単にしてくれて、すごく周りが助けてくれました。私も、1週間目はまだ英語に対して慣れがなくて結構厳しいなと思っていた部分もあるんですけど、2週間目から、もう
自分はネイティブじゃないんだ、という開き直りが出てきて、間違っていても通じればいいと思って、文法とか何も気にせず自分から話せるようにはなりました。
-いいですね、ふっきれたんですね。
-レッスン終わったあとはどのように過ごされましたか?
神田様:そうですね。レッスン終わって、そのレッスン会場のある駅から1駅行くと、デンマークで一番人が賑わう駅になるんですけど、そこで買い物をして、次の日のお昼ご飯とかを買って、そこからまた電車に乗って、家の最寄りに帰るという感じでした。
-どんなものを召し上がってらっしゃいましたか?
神田様:あまりデンマークのご飯が合わなくて。お肉とかご飯とかあまり合わなくて、本当に2週間野菜と果物がメインで。でも果物もすごく日本とは違って、たくさん入っていて安いんです。なので、割とたくさん買いましたね。
-気候はどうですか?暑かったり寒かったりしましたか?
神田様:今年は、みんな言うんですけど、本当にデンマークは暑いらしくて。でも日本みたいに湿気がないので、日本よりは全然すごしやすい感じはしました。
-朝夕はちょっと肌寒いな、という感じはありましたか?
神田様:朝は寒いです。夜はあったかいですね。
-でもクーラーはないですよね。
神田様:クーラーはないです。
-クーラーなくても全然大丈夫だな、というぐらいの感じですかね。
神田様:そうですね。まだクーラーなくても、という感じでした。
-日曜日のお休みのときはどんなふうに過ごされていましたか?
神田様:お休みの日は、とりあえずお土産を買う時間がなかったのと、観光もしたかったので、朝10時ぐらいに家を出て、家から3駅ぐらい行くと人魚姫像があるんです。それをダッシュで見に行って、そのあと、また電車に乗って、コペンハーゲンの郊外にある大き
いショッピングモールに行って、お土産を買って、そこから戻って、バレエ学校の最寄りの駅のすぐ近くが観光地なんです。すごいたくさんカラフルなお家が並んでいるところで、そこに行って、ダッシュで見学みたいなのをして、家に帰りました。そうすると、
もう1日終わります。
-移動は基本ダッシュなんですね。
-今回、文科省の、トビタテ留学ジャパンというプログラムを利用されて行かれているかと思うんですけど、申請とか、これからも報告書をまとめなくてはいけないかと思うんですけど、実際にそのプログラムを利用してみての感想をお願いします。
神田様:トビタテというのはとても手厚いサポートが受けられて、お金だけじゃなくて、海外留学に行く際のアドバイスだったり、いろんなサポートが文部科学省から受けることができて。事前研修というものに行ってきたんですけど、事前研修で同じバレエで留学
するという子とほとんど全員とお話することができて、トビタテの良さの一つで、いろんな人たちとつながれる、というのがあって。あと、私が周りの大人から聞くことができない、海外に持っていったらいいものとか、あと海外の治安とか、注意したらいいこと
を、いろんな話を聞くことができて、それもすごくよかったです。あと私、デンマークで最初の二日間すごくホームシックにかかって、もう帰りたい、となったんですけど、そのときツイッターとかインスタグラムで、同じようにトビタテ生が、同じ時期に留学し
ていた子たちがみんなそれぞれ頑張っていて、一人一人悩みがあって、みんな一人一人頑張っているんだな、っていうのをデンマークで目にしてて、だから私も一人じゃないな、という気持ちがすごくあって。みんな頑張っているだから私も頑張らなきゃ、という
励みになりました。なので、そういう精神的な面でもトビタテというのはコミュニティ力がすごく強くて、自分の一つの心の安定になりました。お金だけでなく、そういう面でもかなり助けられました。トビタテは、学校の先生方の協力が不可欠でした。特に2年
生時の担任の先生、そして学年主任の先生には本当に感謝しかありません。
-素晴らしいですね!いろんなことを一人になって考えるとき、そこで同じように頑張っている仲間がいるとなると、すごく心強いですよね。
神田様:そうですね、本当に心強かったです。
-現地で一緒にレッスンを受けられた方とSNSでつながっていたりはしますか?
神田様:つながってます。バレエ学校で一緒に仲良くなった同じクラスの子とか、あとルームメイトの子とは、結構多い人数と、インスタグラムとフェイスブックでつながっていて、みんなで近況とか、今何しているんだろうというのを見てたりします。
-お部屋は何人部屋でしたか?
神田様:私含めて二人部屋で、結構楽しかったです。
-ルームメイトの方はどこの国の方でしたか?
神田様:アメリカから来た、ワシントンバレエ団で今バレエダンサーをしている方で、きれいな方でした。
-プロの方も参加されるんですね。
神田様:はい。バレエ団のサマーコースなので、バケーションで来ていて、そのままバレエ団のサマーに来ている、というバレエダンサーがすごく多かったです。
-プロのバレリーナと一緒にレッスンできると、いい刺激になりますよね。
神田様:そうですね。バレエ団のサマーのクラスにも、デンマーク・ロイヤル・バレエ団で活躍しているバレエダンサーがよくレッスンに来ていて、勉強になりました。
-デンマーク自体の治安はいかがでしたか?
-お泊りされていたところはどういったところでしたか?
神田様:バレエ学校から本当に離れているところで。電車を二つ乗り継がなきゃ帰ってこれないところで、そこが難点でした。デンマークの住宅事情が悪いらしくて、かなり離れたところじゃないと家が建てられないみたいで、大変だったんですけど、でも地下鉄も
電車も乗り方を学べたのでよかったもしれないです。
-アパートですか?
神田様:一軒家でした。
-みんな宿泊するところはバラバラという感じなんですかね?
神田様:そうですね。
-今後このワークショップに参加される方へのアドバイスがありましたら教えてください。
神田様:デンマーク・ロイヤル・バレエ学校は日本人がとても少ないところで、外国人の中に一人だけ、という状況は日本人はあるので、それに耐えれる基本的な語学力は本当に必要だと思いました。あと先生は、日本人を相手にするワークショップだったら、結構
優しい英語で言うんです。ですけど、ああいうネイティブしかいないところに行くと、先生もパーッと英語でしゃべったりするので、それを全部聞き取れるような聞く力も必要でした。あと、とりあえず体のケア、体のメンテナンスは日本でしていったほうがいい
と思います。学校はかなりきついので、毎日8時間から10時間のレッスンをするので、私も腰と右足のアキレス腱が痛くなっちゃって、これから病院行くんですけど、やっぱりガタがくるので、日本から湿布とかケアするものは多めに持っていったほうがいいなとは
思いました。
-最終日のパフォーマンスはいかがでしたか?
神田様:すごく楽しかったです。オペラハウスのドラマシアターというところでやるんですけど、会場が本当にプロの舞台で、奥行きもあって。2階席、3階席まであるんですけど、本当にいいところで踊らせてもらったなと思います。パフォーマンスの内容は、ブル
ノンビルの内容と、あとクラスで一つ作品と、パドゥドゥと、シアターダンスと、モダン、クラスでやったものという感じで、リハーサルも学校の休み時間とかでやるので、お昼ご飯を食べる時間がない子が多くて、私は2週間目からだったのでまだそんなに忙しく
はなかったんですけど、1週目から来ている人はかなり忙しそうでした。
-やる内容が盛りだくさんだったということですね。
神田様:はい。本当に時間がない感じでした。
-今後、紗綾さんが目標とするものはなんですか?今回参加されて、海外で活動したいな、と思いましたか?
神田様:そうですね。日本だとあっちみたいに1日バレエができる環境がなくて、私も高校に行きながら、高校が終わったあとの3時間、4時間とかしか練習ができなかったんですけど、あっちは1日中ずっとバレエができて、本当にいい環境だなと思って。周りの子も
優しいですし、私も高校卒業したら海外のバレエ学校に留学したいと思っているので、本当に今回はいい経験だったなと思います。
-今回の短期留学で一番印象に残っていることを教えていただけますか?
神田様:パドゥドゥのときに、私はパドゥドゥのパフォーマンスですごくいい役をいただいたんです。一番最初に出てきて、最後まで舞台で踊れる役をいただいて。パドゥドゥの時間にキャスト発表があって、そのときに私、まだまだ英語わからなくて、先生が、リ
ラックスして聞いててね、みたいな話をしていて、何を発表されるんだろう?と思ったら、パフォーマンスの役の発表することになっていたらしくて、いつも一緒に踊っているパートナーと名前呼ばれたんですけど、そのときに、決まったあとでも、踊り覚えない
とか、この子は無理だな、ってなるとすぐキャストを変更したり、あなたは要らない、と言われてる子がいて、キャストチェンジがすごくあって、バレエ学校というよりは、本当にプロの世界に足を踏み入れたような感じがしました。失敗はできないですし、プロ
の世界だなと思いました。なので、死ぬ気で踊り覚えて、本番もすごく緊張して。私だけの踊りだったら、自分が失敗しようが周りには迷惑かけないですし、自分が恥かくだけなんですけど、相手がいると相手にも恥ずかしい思いさせちゃうなと思ってすごく緊張
していたら、最初に舞台出ていって、相手にお辞儀をするんですけど、そのときに、大丈夫だから、って彼が言ってくれて、すごくそれに助けられました。多分緊張してたのが伝わったのかな?バレエダンサーの厳しい世界を目の当たりにして、こういう世界なん
だな、というのがすごく印象に残りました。
-短い期間ではあったと思うんですけど、すごくいろんなものが凝縮されていたような感じをお話を聞いてて思いまして、よかったです。とても貴重なお話しありがとうございました。