2000年に設立された非営利団体・IUGTE。ロシアをはじめ、欧米の多様な舞台芸術に携わる人たちが中心となって作りあげたこの団体は、既存の舞台芸術の講習会とは少し毛色の違う活動を世界中で開催しています。この団体の目標の一つは、世界中の古典演劇を現代的な舞台芸術と融合させ、新たな国際的な舞台芸術を創造すること。そのための活動場として選ぶの場所は、常に変動しています。カナダ、チェコ、イギリス、ハンガリー、イタリア、ラトビア、リトアニア、マルタ、ロシア、スロベニア、スウェーデン、ウクライナ…などなど、今までに50以上のレクチャーシリーズやトレーニングを様々な場所で活発に行っているのです。その非常に個性的なトレーニングシリーズの一つが、オーストリア・グラーツ近郊のライプニッツで開催されるのが、オーストリア夏期国際コンテンポラリーパフォーマンスワークショップです。このワークショップは、プロやプロを目指すダンサー、学生、役者、サーカスパフォーマーや振付師、先生など、非常に新しいものを作りだしてみたい、と思っている舞台の関係者ならほぼ全員参加の権利がある講習となっています。プログラムを指導するのはセルゲイ・オストレンコ氏。彼が提唱する「オストレンコ・メソッド」という古典的なロシアのメソッドに基礎を置き、世界各国の様々な舞台・身体芸術の最新の教育法を組み込んだ科学的な考え方の教授法となります。コンテンポラリー・パフォーマンスを行う上で形式やスタイル、感情などを表す鍵としてカラダを使用します。「オストレンコ・メソッド」だけではなく、スタニスラフスキー、メイエルホリド、チェーホフなどのメソッド、即興、簡単なエクササイズから複雑なものまで、さまざまな手法を織り交ぜてコンテンポラリー・パフォーマンスに必要な内容を習得します。講習会場は、15世紀様式の城を再構築したもので、美しく過ごしやすい環境を備えています。宿泊施設もきちんと用意されているため、トレーニングに集中することが出来ます。刺激的で、流動性のあるここでしか味わえないトレーニング。既存の舞台芸術の制限を超えてみたい方に、オススメしたいプログラムです。

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