英国ロイヤルバレエスクールを卒業後、ダンサー・振付家として活躍していたケイト・シモンズ女史は、現役引退後は英国ロイヤルバレエスクールをはじめ、世界中のダンススクールで講師として後進を指導してきました。そんな彼女がイングランドの北西部、リバプールとマンチェスターのちょうど中間に位置する街・ウォリントンに、ケイト・シモンズ・ダンスを設立したのは1988年のことです。
ダンス学校として長い歴史があるとは言えないものの、彼女の指導力と教育理念がフルに生かされたこの学校は、プロのダンサーとして活動することを望む生徒たちをたちまち惹きつけるようになりました。設立者自身はバレエ出身者ですが、KSDはバレエだけに特化しているわけではありません。特に人気がある「ダンサーコース」では、コンテンポラリー、ジャズ、タップにくわえ、個人的な歌唱レッスンもレッスンに加えられています。「現在のダンサーに必要なのは、様々なテクニックに柔軟に適応する力」という学校の理念が、このような多様なレッスンを提供している背景にあるのです。とはいえ、「西洋における全てのダンスには、クラシカルバレエの要素が不可欠である」という振付家・ダンサーとしての設立者の考えから、レッスンの基礎はクラシカルバレエであり、生徒はそのテクニックを3年間のうちに身にしみこませていくのです。もうひとつのダンスコース・クラシカルコースでは特に、この理念が徹底されることでしょう。また、どちらのコースにもオーディションテクニックを学ぶ実戦的なレッスンが設けられています。プロの舞踊団への就職を希望している生徒には、何よりありがたいシステムではないでしょうか。
プロとして活躍した人だからこそ、後進に授けることが出来るもの。KSDにはそんな要素がたくさんあるのです。

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