世界三大コンクールと呼ばれ、いつの時代も音楽を志す若者から羨望の眼差しを浴び続けているのは、エリザベート王妃国際音楽コンクール(ベルギー)、チャイコフスキー国際コンクール(ロシア)、そしてショパン国際ピアノコンクール(ポーランド)です。
エリザベート王妃国際音楽コンクールは、ピアノ、ヴァイオリン、声楽、作曲の4つの部門があり、毎年1部門ずつ開催されます。過去には、内田光子(1968年/ピアノ)、神谷郁代(1972年/ピアノ)、堀米ゆず子(1980年/ヴァイオリン)、若林顕(1987年/ピアノ)、仲道郁代(1987年/ピアノ)、諏訪内晶子(1989年/ヴァイオリン)、松本和将(2003年/ピアノ)など、数々の日本人入賞者を排出しています。
チャイコフスキー国際コンクールは4年おきにロシアで開かれ、ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、声楽の4つの部門で競われます。第14回目の2011年は、ロシア出身の世界的指揮者ゲルギエフ氏のもとおこなわれた、「コネとカネ」を排除し公正な審査を実現するための改革に対し、一定の成果を上げたことが記憶に新しいところです。これまでに、諏訪内晶子(1990年/ヴァイオリン)、佐藤美枝子(1998年/声楽)、上原彩子(2002年/ピアノ)、神尾真由子(2007年/ヴァイオリン)と複数の日本人優勝者が誕生しました。
エリザベート王妃国際コンクール、チャイコフスキー国際コンクールとは対照的に、ショパン国際ピアノコンクールはその名の通り、ショパンの故郷ワルシャワを舞台に5年に一度繰り広げられる、ピアノ部門に特化したコンクールです。日本は第3回の原知恵子から始まり、第5回田中希代子、第7回中村紘子、第8回内田光子、第10回海老彰子、第11回小山実稚恵、第12回横山幸雄、第13回宮谷理香、第14回佐藤美香、第15回関本昌平、山本貴志と、コンスタントに入賞者を世に送り出しています。